〔この記事のポイント〕
・後見人制度 裁判所 パンフレット(PDF)
・法務省のサイトより 成年後見制度
ビデオ「わかりやすい成年後見制度の手続」
本編 字幕あり
海外在住者にとっても
親が認知症その他の疾病のため
判断能力を失い
治療・介護が必要になることは
いつ現実の問題になるかわかりません。
そして判断能力を失うと
親は自分が利用する金融機関から
治療・介護費用を支払うことは
むずかしくなります。
では、子供は親の口座から
親の治療・介護費用を支払うことは
できるのでしょうか。
たいていの場合、多くの金融機関は
代理人届けだけでは
親の資産を引き出すことはできません。💔
とくに、銀行や証券会社の
・外貨建て資産、投資信託
・株式などの元本が変動する金融商品
は、子供の意向だけでの換金は不可能でしょう。
〔参考情報〕
以下の場合、子供でも受け取ることは可能です。
しかし、将来の相続人の間で合意がないと
トラブルを引き起こす可能性があります。
親族の間でふさわしい取り決めが必要でしょう。
1.銀行
ネットバンキングのIDとパスワードがわかれば、
親の代理で送金手続きができます。
またキャッシュカードを利用して
ATMから現金を引き出すこともできます。
2.証券会社
円建てMMFなどは、家族の指示で
指定した登録先銀行口座へ
出金することは可能でしょう。
3.ゆうちょ銀行の定額預金は
同居家族2人の立ち合いがあれば
本人が立ち会わなくても解約できる
との回答でした。(再確認中)
さて、親が判断能力を失ったときに
親の財産を管理する方法として
『成年後見制度』があります。
家庭裁判所のパンフレット
(下の画像:クリックすると拡大)

裁判所サイト
→パンフレット全体のダウンロード(PDF)
詳しい説明は、
法務省の成年後見制度をご覧ください。
では、海外在住者が
『成年後見制度』を利用して
親の資産を管理することはできるでしょうか。
現実的には
・日本在住の他親族
場合によっては
・弁護士、司法書士、
社会福祉士などの専門職
の協力がないと
法定後見人制度の利用は
むずかしいと思います。💦
〔その理由について〕
法定後見人制度の手続き・運用を説明する
裁判所(COURTS IN JAPAN) ビデオ
→わかりやすい成年後見制度の手続」
本編 字幕あり
をごらんください。
※裁判所が認める場合、『後見制度支援信託』が
利用できます。裁判所のサイト ビデオ
→「わかりやすい成年後見制度の手続」
後見制度支援信託とは?字幕あり
つまり、上のビデオで説明があったように
後見人として、
・支出を領収書と共に記録する
・使途全般について、
裁判所の指示・指導に従う
ことは難しいためです。
〔参考情報〕
ブログ管理者が、
大阪家庭裁判所窓口で聞いたところ
後見人制度の申立人が
希望する後見人が選ばれるのは
申請者全体の35%程度で、
たいていの場合、他の人が後見人として
選ばれるとのことです。
〔注意!〕
希望する後見人が選定されないことを理由に
法定後見人制度を拒否することはできません。
〔その他の情報〕
1.親の判断能力が不十分になる前に利用できる
『任意後見制度』があります。
公証人役場でこの申込手続きができますが、
実際に後見人として活動するときは
法定後見人と同様に
家庭裁判所の指示・指導に従います。
2.海外在住(日本に住民票がない)の親が、
判断能力が不十分になった場合
(1)親が日本に帰国し、住む市町村で
住民登録をする必要があります。
※たいていの市町村役場では
パスポートの入国スタンプが
入国の証明として必要でしょう。
(2)親が日本へ帰国しない場合、
住んでいる国の法律に従って
ふさわしい手続きをします。
※遺言状は本人が死亡するまで
有効にならないので、
銀行口座などは妻や子供との
共同名義にするとよいでしょう。
海外在住者にとって
高齢の日本在住親族のお世話は
大きな挑戦になります。
子供や家族への責任のため
まとまった金額の支出がむずかしい場合
生前贈与などは、親の理解が必要ですが
しっかりした準備が大切になります。
〔名義預金と相続税の関係〕
子供や孫の名義での預金(名義預金)は
通帳の管理を親がしていて、贈与の実態がなければ、
親の財産となり、相続税の申告対象になります。
贈与して5年を過ぎれば贈与税は時効ととなるため
(悪質な場合は7年)税務署は黙っていますが、
税務署は、親や祖父母が亡くなったときに
相続税としてまとめて課税します。😠
参考情報 現代ビジネスより
「長野の小さな食堂」が7000万円脱税
以上の情報が、海外在住者、
海外で活動する人に役立つならうれしく思います。