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独自の外貨管理政策をとる中国では、
日本(というか世界中)で
中国元に両替して送金することはできません。
(中国に住む中国人向けの海外送金のみ可能)
ですから、中国国外から中国在住の外国人や
外国企業に送金するには
・米ドルや円などで中国に海外送金
してその後、
・中国国内で元に両替
するしかありません。
(2009年9月現在)
しかし、中国が元の国際化を目指して
打ち出す最近の動きを見ていると
この条件が将来いずれかのときに
緩和されるのではないかと感じます。
最近の2つのニュースを紹介します。(NIKKEI NETより)
中国、国際貿易の元建て決済を外資に解禁 まず三菱UFJなど 2009/09/06
〔記事の内容を引用〕
【上海=戸田敬久】中国人民銀行(中央銀行)は、これまで中国系銀行に限定していた人民元の国際貿易決済業務を、三菱東京UFJ銀行の中国法人など外資にも解禁した。人民元の国際貿易決済は7月に試験的に一部地域で解禁。外資系にも解禁することで、人民元の国際化を促す。
外資系への決済業務解禁の最初の対象となるのは、三菱東京UFJ、三井住友銀行、英スタンダード・チャータード銀行、英HSBC、香港の東亜銀行の中国法人。みずほコーポレート銀行なども決済業務の認可を申請済みで、決済できる銀行数はさらに増えそうだ。 (07:00)
〔引用終わり〕
ということは、「これからは企業は元建取引ができる。」
つまり元で海外送金できるようになるということでしょう。
中国銀行の本土では
円から元へ両替する外貨両替手数料は0.4%ですが、
他の外貨で割高な手数料を取っている日本の銀行が
どんな両替レートを出すか興味があります。
関連情報 中国の米ドル外貨両替手数料は日本円の半分!
中国、「人民元建て国債」香港で発行 本土外初、外国人の投資促す 2009/09/09
〔記事の内容を引用〕
【香港=吉田渉】中国財政省は8日、香港で人民元建て国債60億元(約810億円)を28日に発行すると発表した。中国本土外で初の元建て国債で、外国人投資家の購入も認める見通し。域外での元建て金融商品の幅を広げ、人民元の国際化につなげる狙いだ。
財政省は元建て国債を個人投資家、機関投資家向けに売り出すと発表。利率など詳細については「市場化の原則に照らし合わせて発行条件を決 める」との表現にとどめた。ただ「人民元の国際的地位を高める」とも明記しており、香港の指定金融機関を通じて外国人が購入できる可能性が高い。
〔引用終わり〕
中国が香港のオフショア市場で
人民元建て国債を発行するということは、
・元建ての金融商品が国際舞台で流通する。
それは
・人民元が国際通貨へ歩む
ことを意味します。
この2つの事例だけで
すぐに元が基軸通貨米ドルに
取って代わるわけではありません。
しかし、人民元が国際的に流通し始める
第一歩には間違いありません。
国際的取引で元が利用されるようになると
それだけ米ドルを利用する比率は下がります。
これらは中国が世界の覇権をめざすための
「米ドルはずし政策」で、
機軸通貨を持つアメリカに
ボディーブローのように効いてくると思います。
問題も多い中国ですが、
来年は中国を取り巻く環境に
大きな変化が起こっているかもしれません。