トラブルの状況がわかってきました。
ニュース元 毎日新聞 読売新聞
(最後にそれぞれのニュース記事を引用しています。)
留学資金を苦労して貯めた人、すでに勤務先を退職した人までおられるますので、
悔しい気持ちは計り知れないものがあることでしょう。
しかし、ゲート21に預けた大切なお金は戻ってこない可能性が高いようです。
では、ゲートウェイ21は預かった資金をどのように利用したのでしょうか
【ゲートウェイ21の資金管理状況】
顧客から預かったお金はすぐに送金せず先に申し込んだ留学生の費用だけでなく、
会社の事務所の家賃や人件費に当てていました。
外部から顧客から預かったお金がどのように扱われるかわかりません。
ほとんどのエージェント(斡旋仲介業者)は金融機関のように顧客から預かったお金を守るための特別な方法はとっていないと思われますので、個人や会社の支払能力だけが頼りです。
『お客様から預かったお金はすぐに現地の学校へ送金します。』と説明されても
トラブルが起こるとお金を取り戻すのは難しいかもしれません。
【対策】
留学する学校を探すための手数料は支払っても、
学費(入学金や授業料)はその学校に直接海外送金しましょう。
何らかの事情で届かなかったとしても、訂正することができます。
ゲートウェイ21のような状況になると斡旋仲介業者の支払い能力だけが頼りです。
たいていの学校はウェブサイトに必要な情報をのせていますし、
わからなければメールやFAXで問い合わせることができます。
言葉の問題もあるかもしれませんが、辞書を引いてでも一読することをお勧めします。
また、英語圏以外の国でも英語で問い合わせることができるところが多いでしょう。
そのほか、エージェント(斡旋仲介業者)では年間授業料を一括払いだけを受け付けても、
学校によっては月払いができるところもあります。
月払いなら自分が期待していた授業内容でなければ別の学校に移ることも簡単でしょう。
海外で生活するようになるとさまざまな問題が起こります。
エージェント(斡旋仲介業者)が日本語ですべて準備してくれるのは助かりますが、
海外に出かける前からトラブルを起こさないよう、
手間と費用がかかっても十分な準備をすることをお勧めします。
留学、ロングステイをサポートするエージェントにお金を預けるかどうかについては
エージェントにお金を預けるかどうか? をご覧ください。
[毎日新聞 2008年10月6日 東京朝刊 より]
ゲートウェイ21破綻:債権者説明会 「詐欺だ」800人怒り 預かり金流用、常態化
破産申し立て中の留学支援会社大手「ゲートウェイ21」(東京都新宿区)の債権者説明会が5日、東京都内であり、福井伴昌社長は「本当にすみませんでした」と土下座して謝罪した。経営破綻(はたん)後、社長が公の場で発言するのは初めて。社長は「集めた資金をそのまま海外送金すればよかったが、会社が存続できない状態となり手をつけた」と資金流用を認めた。約800人の被害者は「詐欺だ」と厳しく批判した。
同社は、留学予定者から預かった資金を、専属契約する海外の現地法人を介して、留学先やホームステイ先に支払う。このシステム通りに送金されれば留学に支障はないが、実際には払われていないケースが相次いでいた。
会場から「預かり金に手をつけたのか」と追及されると、福井社長は「その通り。そうせざるを得なかった」と認めた。使途は先行してあっせんした他の留学生の費用だけでなく、会社の事務所の家賃や人件費にも及んでいた。さらに「『送金が集中する3、4、8、9月を乗り切れば』と思っていた。昨年もそれで乗り切った」と流用が常態化していたことも認めた。
説明会に同席した野間啓弁護士は「昨年6月ごろから資金繰りが厳しくなっていた」と説明した。
一方で個人的な蓄財など私的流用は否定。「私財を4000万円(会社に)入れた。個人財産は残っていない」と強調した。野間弁護士が「返金は難しい」と話すと、ため息に包まれた。男性が「あなた(社長)を刑事告訴します」と発言すると、一斉に拍手が起こった。
訪れた被害者が会場(定員約200人)に入りきれず、外の歩道に50メートル以上の列を作った。参加者を入れ替え説明会を2度を開いたが、流用した原因は「全国展開に伴って経費が増え、売り上げが落ちたため」とだけ説明した。
イタリアで料理人の修業をするため、肉体労働のアルバイトでためた約80万円を支払った埼玉県北川辺町の男性(30)は「答えられなくなると『すみません』で済ます。具体的なことは聞けなかった」とあきれ顔だった。【江畑佳明、町田徳丈】
[2008年10月6日01時09分 読売新聞より]
ゲートウェイ21「ウソついていたのか」説明会で怒り噴出
留学仲介大手「ゲートウェイ21」(東京都新宿区)の経営が破綻(はたん)した問題で、同社は5日、留学費を納めた顧客ら債権者への説明会を千代田区内で開いた。約230人が入れるホールに500人以上が集まり、会場の外まであふれる事態に。同社は説明会を急きょ2回に分けて開き、福井伴昌(ともまさ)社長が謝罪したが、留学の夢が断ち切られた人たちから怒りの声が続出した。
同社は12億9000万円の負債を抱え、今月1日、東京地裁に破産を申し立てた。約1300人から集めた留学費計約9億5000万円を運転資金に充てており、これらの人は留学できなくなる可能性が高い。
福井社長は「このような事態を引き起こし、申し訳ありません」と謝罪。「売り上げが低迷して資金繰りに窮した」などと破綻の原因を説明し、集めた費用の大半を事務所の家賃や給与の支払いなどに充てたことを認めた。
これに対し、出席者の不満が噴出。「『ホストファミリーの体調が悪いので渡航を延期してほしい』と説明されたが、それはウソだったのか」などと語気を荒らげる人もいた。
英国留学の仲介を依頼し、約180万円を納めた都内の30歳代の男性会社員は、勤務先に退職を申し出た後に破綻を知った。入学予定だった現地の語学学校に電話で確認したところ、「授業料は受け取っていない」との答え。「懸命に働いて留学費を作ったのに……」と言葉を絞り出した。
都内の無職女性(26)は、米国に留学しようと約150万円を同社に納めた。アルバイトをかけ持ちしてためた資金だった。説明会で今後の対応を聞こうとしたが、「『すみません』と言うばかりで何も分からなかった」と憤る。
福井社長は説明会後、報道陣の取材に応じた。「責任はすべて自分にある」と語ったが、留学費の返還などについては「破産管財人に委ねるしかない」としたうえで、「返せる見込みはほとんどない」と述べた。